天然ガスですが、アメリカのバイデン政権がLNGの輸出許可を一時停止しました。気候変動対策のアピールとはいえ、愚策ですね。昨今の環境保護は判りますが、原発反対、石炭反対、自動車はHVを含めてガソリン車反対ときて、LNGも反対ですか。
発電をどうするのか。太陽光も山を切り開いたりで決して環境に良いわけでは無いですし、太陽が出ている時しか発電できない不安定な供給源でどうするのでしょうか。電気を使わない生活を望んでいるのでしょうか。
さて、御託は置いておき、天然ガスは、石炭発電や石油発電に比べてCO2の排出量やその他有害物質の発生が少ないとされており、石炭発電を減らして天然ガス発電を増やしていこうというのが昨今の流れと理解しております。
政治的なアピールとはいえ、輸出が停止されることで、米国内の天然ガス余りが発生しアメリカの指数である天然ガスは下落するのは致し方ありませんね。
さて、LNGの輸出ですが、以前にも停止したことがあります。アメリカのフリーポート火災に見舞われ、アメリカのLNGの能力の2割が失われました。LNG化できなくなったことで、アメリカ国内の天然ガスが余り、天然ガス価格が38%程下落しました。
当時は、ロシアがウクライナに侵攻し、ロシアからの天然ガスの供給を断絶し、世界的にエネルギー不足で価格が高騰していた時期にありました。結果的には、フリーポート社が完全復活する前には価格が戻ることとなりましたが、その後は供給が安定してきたのか天然ガス価格は低位で安定することになります。
さて、今回は事故では無く政治的な理由ですので、天然ガスの輸出再開(もしくは緩和)がいつになるのか読みにくい所はありますが、輸出を一時停止してから既に33%下落しております。ここで同様に40%下落するとするならば、1.63ドル付近となり、ここぐらいが底の限界値ではないかと思います。いくら政治的アピールとはいえ、あまりLNGの輸出一時停止を長引かせるのも現実的ではないと見込んでいます。最悪は大統領選挙終了まで一時停止が伸びることですが……
そもそも、歴史的に見ても現在の水準はかなり底なんですよね。インフレが進んでいる状況で、昔と同じコストで採掘できるわけもないので、適正な水準にまで戻ると信じたい所。
気になる価格調整ですが、期近が1.814に対して、期先が1.854とそこまで大きく開いていません。1ヵ月程度のチャレンジで見るなら、割は合っているんじゃないかな。
ここまで書いておきながらですが、決して天然ガスの買い煽りをしているわけではありません。(重要)
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